世界市民教育とは?

「世界市民教育 World Citizenship Education」とは?

世界市民は、古代ギリシアの哲学者が、どこ(のポリス)から来たのか、と問われ、「私は世界市民(コスモポリタン)である」と答えたとされることに始まる概念です。特定の出自や場所、属性に捕らわれないこの本来的に自由な存在様態は、以後、2000年以上、人々を惹きつけてきました。

現代においては、地球環境問題や戦争・テロ、移民問題など、国境を超えた事象が、人類社社会を脅かしています。さらには、人間中心主義的な考えが行き詰まりを見せ、人間という存在すら問い直されています。
そのような中、特定の場所、特定の文化的存在としての人間を前提条件にすることのない教育としての世界市民教育が注目を集めています。とりわけ重要となるのが、「世界 World」を生きる人間の形成・教育を考えることです。

古代ギリシアという地域性を帯びるCosmopolitanや、社会や経済的な活動の地球規模の拡大の意味を帯びるGlobal Citizenだけでなく、社会や自然を含んだ動的な全体としての世界を生きる存在World Citizenのあり方や教育・人間形成を考えることが、現在まさに求められているのではないでしょうか。

本プロジェクトでは、このようなことから、世界市民の内実や意味、そして世界市民教育・人間形成の展開過程を考えることをめざしています。
具体的には、
 (1)世界市民の教育・人間形成自体を、哲学的・教育人間学的に考察する 人間形成・教育部門
 (2)社会や環境意識の形成に焦点を当てる 社会・環境意識教育部門
 (3)多文化交流・共生という視点から考察する 多文化教育部門
に分かれて、新たな教育・人間形成を考察することを試みます。